「ごめん、俺お前とは付き合えない」 勇気を出して告白した返事はNO。 小さな頃からいつも一緒で、いつの間にか好きになってた。 その気持ちが自分に向いてないことくらい気づいていたけど、それでも告白したことに後悔はない。 だけどそれでも悲しくて、苦しくて・・・・・・・。 ポツポツと降り始めた雨はいつの間にか激しさを増し、の身体に冷たく降り注いだ。 明日、貴方の隣には・・・・・ 彼がいつも目で追っていたのは、サラサラのロングヘアーな女の子。 スレンダーな身体と、可愛らしい服装を身にまとう彼女たちはその雰囲気に反して、とても大人っぽかった。 まだまだ発達途中の自分とは違って、本物の大人の彼女たち。 興奮したように騒ぐ彼の隣で、いつも儚く微笑んでいた。 少しでも大人になろうと背伸びして、肩より短かった髪を伸ばし始めたのはいつだったっけ。 耳にはピアスもつけて、彼に会うときはいつも母の香水をこっそり借りていた。 彼はそんな自分の些細な変化に、一度も気づくことはなかったけれど・・・・・・。 気づけば、彼に恋をして13年。 は現在17歳で、少しは彼の好みに近づけたと思ってた。 だから告白したのに・・・・・。 「私・・・・バカみたい・・・・・」 一生懸命大人っぽくなろうと努力して、露出の多い服を着て。 でも彼が選んだのは2つ年下の可愛いらしい女の子だった。 彼に好きになってもらえなかったことは悲しかったけど、不思議と悔しくはない。 それよりもただ、苦しくて切なくてやるせなくて・・・・・・。 どこまでも彼に振り回されていた自分がバカらしくなった。 不意に辺りを見渡すとそこはどこかの公園らしく、真ん中に位置する噴水の近くに腰を下ろす。 何も考えず、鳥の鳴き声や木々のざわめき、そして水の音に耳を済ませた。 けれどやはり溢れ出る涙だけは、止まらない。 無性に情けなくなって下を俯くと、髪がサラリと落ちてきた。 それを見ていると彼のことを思い出してしまって、いっそのことこんな髪なければいいのにと思ってしまう。 「・・・・・・・・・」 偶然なのか、それともこうすることがの定められた道なのか。 足元に5センチほどのガラスの破片が落ちていた。 指を切ってしまわないように気をつけながら拾うと、噴水の水で汚れを洗い流す。 そのあと自分の髪を掴むと、肩より上辺りにその破片をあてた。 「ちょっと待った」 聞こえてきた声とともに、腕に衝撃が加わる。 その弾みで掴んでいた破片が滑り落ちて、噴水の水の中に音を立てて落ちた。 は驚いて、涙を拭うことなくそっと上を見上げて声の主を見る。 「・・・・あ、の・・・・」 「せっかく綺麗な髪なんだ。そんなことするともったいないだろう」 耳に心地よく響くテノール。 そこには、肩より少し短い宵闇色の髪をした男性が立っていた。 翡翠の瞳がまっすぐを見据えている。 その男性は、の涙のあとに気づくと、そっと指を頬に伸ばしてきた。 は一瞬ビクっと身体を揺らし、目を閉じる。 しばらくして男性の手が離れていく気配に、ゆっくり瞳を開いた。 「・・・・・・・っ」 目を開けたが見たその人は、ただ優しく微笑んでいた。 「なにがあったのか俺にはわからないし、それを聞こうとも思わないが・・・・」 髪は女の命なんだろう? 何を言うのだろうと考えていたは、予測もしていなかった言葉に思わず拍子抜けしてしまった。 「・・・・・・ふふっ、あなた面白い人ね」 「やっと笑った」 「え・・・・・?」 初対面で、しかも男の人なのに、なぜか安心している自分に気づく。 同時に彼の素敵な笑顔に、癒されていた。 そして気づく。 ああ、私は人の温もりを求めていたんだ。 失恋した傷を癒したくて、だから一人になれる自分の部屋ではなく、いつ誰に見られるかわからない公園にいたのかもしれない。 あんなに考えていた彼のことも、今では思い出として振り返れる。 こんなにすぐ立ち直れる自分が不謹慎にも思えるけれど。 「名前を・・・・教えてもらえますか?」 「俺はアスラン、アスラン・ザラ。君は・・・」 新しい恋を追いかけてみるのもいいかもしれない。 「私は、・」 立ち上がってアスランに手を差し出しながら、は心からの笑みを浮かべていた・・・・・・・。 こ・・・・これはいったい何なのでしょう? 果たしてこれでもドリームと言えるのでしょうか(汗) そしてアスランが変な人みた・・・・げふんっ 続き読みたい方って・・・・いますか? 反応あれば、書いてみたいかなと思ってます>< 感想とかいただけると嬉しいですv 05.08.26 |